• Jan 23 2018

    大切なこと

    2008年 1月17日 忘れる事のない

    深い哀しみに包まれた一日でした

    あれから10年・・

    しみじみと 今年は振り返りました

     

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    聡明で美人で 本当に素敵な女性でした

    憧れでした

    一歳上のその方は

    時々母のような暖かさを感じたり

    時々少女のような儚さを感じたり

    頼れる姉のようなのに 危なっかしくて

    独りがとても似合うのに 寂しがりやで

    時々 思いっきり抱きしめてあげたくなるような

    そんな 可憐な女性でした

    私のことを 「少年のようね」と

    時には弟のようだと言い

    時には恋人のようだと笑いました

    妹には 「腕白坊主ね」と慈しみを込めて

    接してくれました

     

    入院して一ヶ月でした

    たった一ヶ月で 想いをたくさん遺して逝きました

    最愛の息子さんと娘さんには

    最期まで 強い母の姿を遺して旅立ちました

    私だけが知っている彼女の横顔は

    心の奥に 私だけの思い出として大切にしています

     

    妹が食に関しての仕事を再開する・・

    それを伝えたのは入院先で

    彼女に手伝って欲しいと伝えたときの嬉しそうな顔が

    今でもはっきりと覚えています

    「必ず治すからね。待っていてね。」

    その想いは最期まで 言っていたそうです

     

    生まれて初めて 亡骸にすがって泣きました

    二人で 声をあげて泣きすがりました

    両親が亡くなったときより 哀しかった

     

    いつまでも居ると思っていた人でした

    これから 愉しいことを一緒にできたらいいなぁ~と

    そう思っていた人でした

    出逢いは別れの始まりなんだよ・・

    そう 心に留めた瞬間でした

     

    このカップ&ソーサーは妹が彼女のために

    一緒に仕事ができるようになったら使ってもらう・・

    そう思って購入した器でした

    繊細で未完成のものを好んだ彼女に相応しい器

    一度も使うこともなく 見ることもなかったものです

    この10年 時折 手に包み込んで眺めていましたが

    今年から 私が使うことにしました

     

     

    大切な彼女が逝ってから10年の節目は

    彼女が楽しみにしていてくれた妹の主宰する

    La cucina AVANTI も10年の節目になります

    彼女が天国で喜んでくれるような

    益々充実したものにしていきたい・・

    そんなことを思った 雪の日でした

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