• Dec 12 2024

    いよいよ明日から開催

    今日の夕方から 中野さんが作品を持ってご来店

    作品を店内に飾り付けました

    毎回 作品を手にする度に思うのですが どうしたら

    この柄が織りあがるのか・・不思議なんです

    だって機械では無いのですから 横糸と経糸のバランスを

    どう見ながら1本1本の糸を織り上げていくと こんなに

    美しい柄になるんだろう・・って

    見れば見るほど 触れば触るほど その作品がどれほど

    素晴らしい物なのか 分かります

    気が遠くなるような根気のあるお仕事

    好きこそ・・という諺があるように 好きだからこそ

    ご自分の納得がいくように試行錯誤をされて 何度となく

    失敗をされても それをバネに続けてこられたんですよね

    座繰りは富岡製糸で学び 染めと織りは独学

    この独学が自由な作風を生み出して 注目されていると

    私は思っています

     

    出来上がったものを手にする前に 繭から糸を座繰って

    美しい糸を作り出し その糸を様々な草木から色を付け

    その色を何色・何十色と組み合わせ1枚の布を作り出す

    その事を想像してみてください

    どれほどの時間がそこには流れているのか

    どれほどの想いがそこには込められているのか

    1本の糸に込める希望の想いは愛としか言いようがありません

     

    静かな物腰の中野さん 決して大変さを表には出したりせず

    粛々と祈るようにして作品作りをしていらっしゃいます

    それが 作品を手にすると伝わってきます

    「一生もの」という形容詞がこれほど似合う工芸品はないと

    私は思っています

     

    明治時代 日本の産業を支えてきた絹の出来ばえは群馬県の

    絹が一番でした いつしか中国産の安さに押されてしまった

    のは日本の産業を手放したことに他なりません

    和紙同様 今になってそれがどれほど愚かなことだったかは

    職人さんやそれに携わる方々が居なくなってきたことで

    証明されています 哀しいことですよね

    そんな中 最近では40代の職人さんや作家さん達が頑張る

    姿を配信しているのは誠に喜ばしいことですよね

     

    日本人の繊細な作業の美しさは世界一だと思います

    この機会に是非 中野紘子の世界をじっくり味わって下さい

    二人で 首を長くしてお待ちしています💖