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Apr 18 2017
洋服屋として
生まれて初めて美しいと思った洋服は
クリスチャン・ディオールでした。
小学生のころ、バービー人形を買ってもらったのが
大きなきっかけになっているのだろうと思います。
小学校3年生くらいでした。
1959年に発売開始だったので初期のものです。
生まれて初めてねだった物でした。
かつら用の顔とかつらはオプションでした。
洋服はドレスからスーツ、ワンピースなど
全てのアイテムを揃えてもらいましたが
私のお気に入りは断然ドレスでした。
前橋市へ引っ越してくるときに手放しました。
というか、
母に捨てられてしまったのです。
あまり物に執着しない性格ですが
バービー人形だけはいつまでも恨みつらみを言いました。
美しいと感じることが好きです。
五感に響くことで、美しいと自分が感じることなら
何でも感動し、喜びます。
洋服はこの時代のものに強く惹かれます。
戦後、世界中が廃墟から立ち上がろうとしていた時代
女性に美しいという感情を呼び戻して
経済復興を成し遂げました。
「贅沢」「豪華」「高級」という手がでないような世界を
作り出していったエネルギーがひとつの時代を形にした。
そこには「夢」「希望」がたくさん含まれていたのです。
1945年から~1970年くらいまでのファッションは
一歩前進しようとする人たちの「勇気」を
駆り立ててくれる迫力があったように感じて
胸がいっぱいになるのです。
この時代のスタイルは古くならない。
流行という言葉に振り回されない感性をもちます。
この本も30年近く前のもの。
私の大好きなラインばかりです。
何が一番好きなのか。
それを知っているからこそ、自分のスタイルができます。
流行を取り入れても、チープなものを取り入れても
他人と同じじゃない、自分のスタイルが出来あがる。
装いとは、最初の印象に欠かせないアクションです。
外見は関係ない・・という方もいらっしゃいますけれど
外見でしか判断できない場合もあるのです。
高価なものである必要はありません。
ただ、ひとつだけ心に置いて頂きたいのは
その場に相応しい装いをすることです。
場に相応しいことを気にかける女性は
やはり、自分以外の方へ心の配慮をする方として
認知されると思うのです。
私は洋服屋の使命は、このことをお伝えすること、
そう思っております。