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May 20 2017
久しぶりに
今年は茶の湯に関する展覧会が多く
どれから行こうか迷いました。
4月は展示会が多かったので行けず
日程が忙しくなりました。
まずは、一番終了間際の「茶碗の中の宇宙」へ
大好きな楽焼きを観に行きました。
ご自分の代ではもう二度とこんなに大きな展覧会は
開催できないだろう・・と
十五代目の楽吉左衛門さんが仰っていました通り
圧巻でした。
初代長次郎から当代まで、ずらりと並んでいました。
利休がこの茶碗でお茶を飲んだ・・
そう思うだけで鳥肌がたち
一瞬、お茶碗と私だけの世界になってしまうという(笑)
そんな錯覚に陥るほど その器から発せられるものが
大きいものでした。
手跡が見えるお茶碗。
すべて手びねりですから、拝見していると自分の手中に
すっぽりおさまってしまう感覚。
思わず、ガラスにおでこがくっつき両手がその形に。
慌てて、ガラスについた自分のおでこの跡を拭き
ちょっと背中を丸くしながら周囲の方へお辞儀をしながら
その場を去る・・・なんて感じでした(笑)
3週目の水曜日でしたが、混んでいました。
久しぶりにゆっくり拝観できました。
心が動かされたお茶碗は何度も何度も観て・・
進んでは戻り、そんなことを何度繰り返したことか。
あんなにゆっくり観察したのは何十年ぶりでした。
若い頃とは全く違う感覚で拝観している自分を感じ
ちょっと驚きましたが
そんな感覚が嬉しくもありました。
「只、今」・・今という感覚、過去でもなく未来でもない。
その境地で観る中で向き合えた「今の自分」
この「今」という感覚を大切に向き合えることこそが
「日々是好日」という禅語の意味かもしれない。
そんなことを感じました。
戦国武士たちに一服のお茶を点てた利休。
常に死と向き合っていた武士へ
楚々とした佇まいの茶室で最高の一杯を飲んでもらう
今というその瞬間を大切にしていたのだろう・・
そのための楽茶碗であったのかな・・と思うと
胸が締め付けられるようでした。
「一期一会」の意味はここにあるのかなぁ~。
「茶碗の中の宇宙」という題の意味を噛み締めた
そんな有意義な時間でした。
あ~、もう一度観たいなぁ~。
その帰り道、
「奥会津の手仕事展」を開催しているアムコカルチャーへ
日本の美意識を感じた一日となりました。
次は「茶の湯展」と「茶の器展」です。
忙しいけれど愉しい5月です。