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Feb 12 2018
エレガント
洋服屋にはなりたくはありませんでしたけれど
子供の頃から 洋服は好きだったのだろうと思いますが
洋服が好きだったのか お洒落がしたかったのか
綺麗なものが好きだったのか
それは未だによく分かりません
子供の頃は 仕立て屋さんと提携していて生地も
両親は販売していたことがありました
新しい生地が入荷すると 一目散に駆け寄り
ワクワクしながら眺めたものでした
そして一人空想の世界へ
あの生地でこんな洋服 あの生地ではこんな洋服と
心の中で思い巡らしては うっとりしていました
時折 母が中原淳一のデザイン画のように
私達姉妹のために絵を描き 洋服を作ってくれたのが
何よりのご褒美でした
洋服を仕立てて着るという感覚が日常的なこの時代は
贅沢で平和な時代だったと 心から有難く思います
9歳の時にバービー人形に出会い
これから先 何もいらないから買ってくれと頼み込み
オケージョン用のドレスをはじめ 全ての洋服アイテム
カツラ 靴 BAG アクセサリーまで
ほぼ 全アイテムを揃えてもらいました
この時 母からオートクチュールという言葉を聞いたのが
パリのデザイナーへの憧れに繋がったのではないかと
思います
自分で販売も着用も高価過ぎて考えられませんけれど
洋服に対して敬意をはらうという意味を込めて
私はこのような本を教科書にしています
洋服屋が家業なので続けています
好きで選んだ仕事ではありませんけれど
家業だからこそ 取り扱う洋服というものに敬意を示す
ということには 大きな意味を感じています
時代が変わろうとするときは 必ず 苦しみがあり
もがきながら人々は乗り越えてきました
その先には必ず 女性の美しさが輝いたものでした
背中を押したのが ファッションだったことは
長い歴史を振り返っても間違いありません
私が尊敬するデザイナーたちは
「服を着る」という事を文化にした方々ばかりです
服を着る=装う=生活=人生
やはりそれは 衣・食・住として関連致します
そして それを全て身につけてこそ
エレガントという最高の言葉で締めくくれるのでしょう
そんな言葉で表現されるような洋服屋になりたい・・と
そんなことをあの頃は思っていたなぁと
20代の自分を振り返りました(笑)
これからも 真剣に向き合いたいと思っております
益々 宜しくお願い致します