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Sep 23 2024
好きなライン
今年のトレンドはどんな感じですか?というお問い合わせに
真剣にお答えしていたのは30代後半まででした
40代に入ると トレンドは意識しましたけれど所詮流れ物
トレンドと言うよりは できるだけ上質な素材とシルエット
その部分にフォーカスすることに集中させました
27歳~37歳の10年間 取り扱っていたブランドから
学んだ上品さと上質さ そして海外ブランドの持つ前衛的な
ライン 高額なハイファッションを販売する為に その頃は
ヴォーグを海外から取り寄せて 春夏のパリコレクションと
ミラノコレクションのトレンドをチェックしていました
バブルが崩壊して 泡のように実態が消え失せてしまう事が
どれほど怖いことか 身の丈に合う考え方とはどういう事か
そんな事を振り返るなかで 装うということを見直したのが
40代でした
丁度母が闘病中で入退院を繰り返していたのですが ある日
新しい洋服が欲しいと言い出し 私にデザインを考えてと
希望を話し始めたんです 1932年生まれの母の心にある
デザインは 20代の頃スクリーンという映画雑誌で見た
ジバンシーの洋服でした
キャメル色の上質なカシミヤの生地を手に入れて Max Mara
を彷彿させるパンツスーツを母の人生最後の洋服として作った
ことは 私にとっても感慨深い想い出のひとつとなりました
お仕立て屋さんにデザインを褒められて 母は満足そうでした
母は着物が大好きで100枚程残していますが 死装束として
選んだのは洋服でした そこには夢や希望が含まれていたのか
もしれません 戦後 モンペを脱いで年頃になった時に作って
もらった洋服を身に付けた時の感動は忘れられないと 入院中
よく話してくれました
「洋服屋は夢を売る仕事」
新しい洋服を身に付けたときの嬉しさや誇らしさを お客様へ
お渡しするには 唯一無二のぶれないスタンスを持つこと
肌のように馴染む 長く着ていても飽きない 好きを大切に
これが基本になりました
そして
今年もこんなクラッシックラインが入荷してきました
英国的な千鳥格子のベストとパンツ
別売りですので 単品でも結構です 素材もお仕立ても
いう事なし とても良い出来映えです
ベストはボリュームのあるスカートやワンピースなどにも
正統派なイメージで合います
パンツもシルエットが良く その上 素材も良いので着心地
抜群です コーディネートの幅も広がりますね
ワイン系とブラック系の2色です
36~40サイズですがサイズ切れ 色切れが出ています
サイズさえ変わらなければ 長年ご愛用して頂けます
60・70代でこのクラッシックラインを身に付けていたら
振り返っちゃいそうです (〃艸〃)ムフッ
まぁ 但しお好みに合えば・・のお話しです (笑)