• Jan 24 2025

    100年前から・・

    来年 この仕事に就き50年になります

    50年って半世紀ですよね~ でも全くそんな感じがなく

    何をしてきたのかなぁ~と 昨年から考えています

    産まれた時から 生地や洋服 呉服に囲まれて育ちました

    この環境が無くなることは想像できませんが いつかはね

    無くなります 笑笑

    それを想像しながら 商品を揃え始めたのは2018年頃

    60歳を過ぎて 見えない世界が見え始めてきた時でした

    年齢を重ねて初めて見える世界

    年齢を重ねないと様々なことは見えないのだということを

    しっかり実感できるのは やはりその位の年齢なんですね

     

    流行を否が応でも見続けなくてはいけない世界です

    どっぷり浸かるのは私には向かず あく迄もニュアンスは

    取り入れるというスタンスで 基本は素材と縫製を中心に

    構成してきました

    それは20代の頃 素晴らしい取引先の社長やデザイナー

    との出会いから培って得られた私なりの提案でした

    ですから 一つのブランドに囚われることなく新しい物を

    常に探し続けて 取り入れることで自分のスタイルを確立

    してきました 

    それは自分自身の新陳代謝に必要なことでしたが 同時に

    お客様も常に新しいご自分との出会いに喜んで下さったと

    思っています

     

    そんな年月を過ぎて ご提案するのはモダンというライン

    若者のようにスポーティーさだけを追求していたら 

    痛さを感じるコーディネートになります

    エレガント過ぎたら 品の良いおばあちゃんに・・

    トレンド過ぎても 飽きてしまう

    では どうする?

    先ずは 自分のボディラインを知ること

    そして好きなスタイルをしっかり知ったうえで

    そこそこのトレンドも加味しながら 自分の個性を

    しっかり提案しているブランドを見つけること です

     

    若い頃に費やしてきたファッション感覚

    縫製や生地のこと 忘れてはいないはずです

    その上で これからの人生を愉しく過ごせる為の装いを

    選んで メッチャかっこいいおばちゃんにおばあちゃんに

    なってもらいたい💖

    そう思っています

     

    ジャケットなんて着る機会がない・・

    本当にそうかなぁ~ 

    ジャケットって スタイルを良く見せてくれる魔法の衣です

    と そう信じてこの仕事をしています

     

    何故か 未だに残っているLovere‘sのジャケット

    生地も縫製も完璧です

    ストライプは伝統柄 軽く柔らかな生地だからこそ

    正統派のメンズ感覚が表現されます

    裏地にも凝るのがLovere‘s流 脱いだ時の粋な感覚は

    日本の旦那衆の羽織の感覚です

     

    フラップポケットを開けるとこの通り 美しい柄合わせ

    この感覚にドキッとします 19世紀後半~20世紀初頭

    オーダーで作られた背広を彷彿させます

    襟は20年来変化なし ここが素晴らしい

    そして 今回のジャケットは一つボタンです

    ゆったりとしたサイズ感でデザインされた理由がこの

    一つボタンにあります

     

    ネィビーは38サイズ グレーは40サイズ

    どちらも合わない色はないですね

    今年のジャケットは私の身体には大きくて諦めました

    7号サイズでも身長がある方なら38でも大丈夫です

    少しお身体の大きい方には40サイズが超おススメです

    私が70歳になって一番着用したかったジャケットです

     

    100年前のテーラーな気分を味わってください 笑