• Nov 6 2021

    憧れ

    幼い頃から呉服が身近にあったせいか布に関することに

    とても惹かれます 

    染めと織りの志村ふくみさんはとても憧れの女性ですし

    染めの吉岡幸雄さんも心から尊敬する大好きな方です

    でも 糸作りという事に関しては的を得ていませんでした

    吉岡先生や志村先生のドキュメントを見て 染める前の

    真っ白の糸を見ると お蚕さんが巻いたもの・・

    何て透き通るような美しい白なんだろう・・と思うだけで

    この糸は誰が作っているのかしら・・なんて考えなかった

    でも 中野紘子さんとご縁を頂いて驚いたのです

    上州座繰り染織家という肩書

    糸作りから 染め 織り 全ての工程をお一人でされる

    私 感動したんです 

    上州座繰りといえば 江戸後期に群馬県で発明されたもの

    繭から糸を取る木製の道具のことです

    この技術を富岡製糸場で学び その後工房を開設

    全国の染織家へ座繰り糸を提供する傍ら 手織りと染めは 

    何と独学で習得したそうです

    繊細な雰囲気で 静かな物腰 

    でもその中を支える芯の強さが作品を拝見すると伝わって

    私は 何とも心が揺さぶられるほど感動したんです

     

    糸目を拝見すると 様々な色合いが混ざり合い

    まるで 人生の濃淡を映し出すような風合い

    大地 風 草木 太陽 月 そんな様々な景色を感じて

    この布が5年後10年後と月日が経つ中で

    どのように変化するのかしら その変化は永遠に続くのか

    そう思ったら 持続可能な世界観を後世へ手渡す幸せを

    感じてしまったんですよね

    そんなお仕事を気負いなく 当たり前のように続けている

    そんな中野さんをとてもカッコイイ ハンサムな女性だと

    つくづく思いました 惚れちゃった(⋈◍>◡<◍)。✧♡

     

    10月の展示会では木工の坂本さんとの共作でオブジェを

    出品して下さいました

    ストールと敷物がやはりファンの方にはお待ちかねの逸品

    それはもう当然です 母が生きていたら着物の反物を必ず

    絶対に注文しただろうと思います

    でも 私はこのオブジェにお二人の愛情を感じたんです

    中野さんは少しづつ残ってしまった糸を使って製作して

    坂本さんは家具の端材でこの生地を受け取る為の額を作り

    共作になりました

    何故 売れなかったんだろう・・こんな大きなエネルギー

    家の中に 歴史が息づくのになぁ~

    なので

    中野さんにお願いしてAVANTIで販売させて頂く事で

    私の熱い気持ちが収まりました( ´艸`)

    ご説明がなければ分からないこともありますもんね

     

    実はこの額にも驚いたんですよ

     

    布が挟まれている部分は磁石です

    この布を外して 例えばレースや写真などを飾る事が

    できます

     

    布は敷物としても使えます 凄いアイデアです

    坂本さんは元々大工さん 家と家具が本業です

    ですから この額もとても良い木を使っていらっしゃる

    しっかり作られているんですよ

    こちらの木はウォールナット素材 くるみです

    こちらは両サイドが磁石になっています 少し大きめです

    こちらの額はオーク素材です 樫です

     

    興奮して長くなっちゃいましたね

    お付き合い頂き ありがとうございました

    店内に飾ってありますので 是非ご覧くださいませ