• Feb 24 2018

    千手観音坐像

    私は仏像彫刻に惚れている(笑)

    特に奈良時代の天平彫刻です

    運慶仏像は動 天平仏像は静

    何れも 無くてはならない仏像の形です

     

    3月11日まで 東京国立博物館で開催中の

    「仁和寺と御室派のみほとけ」展はそんな静の仏像が勢揃い

    取引先へ行く前に 拝観してきました

    私が一番拝見したかったのは 葛井寺の千手観音坐像

    若い頃からの願いでした

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    図録から拝借

    普通 千手観音といっても千本の腕は無く

    40本の腕 その1本1本に25の助けがあるといわれ

    総合して1000となる・・と伝えています

    それは仏像としての出来栄えを考慮していると聞きました

    美しいバランスを取るためには 確かにそうかも・・

    でも この千手観音さまは40本の大きな腕の周りに

    何と1001本の小さな腕があり その手には眼が描かれ

    それはそれは美しい千手観音さまなのです

    見事な円形 美しい佇まい どの角度から拝見しても

    非の打ち所がない・・とは まさにこのことでしょう

     

    360度から見渡せるように 一方通行で周ります

    何周したか分からないほど 何度も拝見しました(笑)

    小さな手はあちらこちらの方向を向いていて

    「いつでも助けますよ」そんな言葉が聞こえてきそうでした

    どんな願いを込めてこの手を彫ったのでしょう

    貧しい人々は拝見することは出来なかったでしょうけれど

    そのような人々の心の救いにはなったことでしょうね

     

    平和な時代に鑑賞できることを

    しみじみと 有難く思った拝観でした

     

    仁和寺の観音堂が会場内に復元されていて

    そこは写真撮影が許可されています

    お寺ではないのに とても神秘的な空間になっていました

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    お時間のある方は是非!とてもお薦めの展覧会です。